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素材の種類
ミンク

ミンク

高級毛皮の代名詞ミンク。現在では40種類以上のカラーが生産されています。
カラーによって、デミバフミンクやダークミンク・サファイヤミンク等の名前が付けられています。
刺し毛は強くしなやかで光沢に富んでおり、綿毛も密度が高くシルキーなため、衣料用として最高の特質を備えた素材と言えます。
耐久性に非常に優れ、保温力にも優れています。
染色も容易で、非常に多くの色を正確に表現することが可能です。
抜毛(プラクト)、刈毛(シェアード)などの加工も施されて広く活用されています。

ウィーゼル

ウィーゼル

広く北半球に分布し、地域により毛色や毛質が異なります。
日本産は、ジャパニーズウィーゼル(和名 いたち)と呼ばれていますが、毛皮として日本で扱われているウィーゼルの大半は、中国産(チャイニーズウィーゼル)です。
黄褐色をした短い刺し毛はミンクに比べシルキーさや光沢の面で劣るので、抜き毛や刈り毛、染色されて用いられることが多いです。
リバーシブルコートなどの裏地に貼ったりすることが多く、ミンクに比べ重量を軽く仕上げる事が出来ます。

セーブル

セーブル

広ロシア、北米、中国北部、日本などでも生息するが、一般的には、ロシア産のロシアンセーブルを指す場合が多いです。
和名で黒テンや黄テン、アメリカテンなどと呼ばれています。
色は青味のある濃い茶色で色が濃いほど高価です。
毛足はやや長くて非常に柔らかく、保温力に優れていて光沢があり、軽いです。
毛皮のなかでも最も高級な素材の一つとされて、昔から珍重され、今でも毛皮を着る人々の憧れ的存在です。

フォックス

フォックス

フォックスはミンクと共に人気の高い毛皮です。
野生種は大きく分けて北半球に広く分布する赤狐、北極地方に棲息する北極狐、北アメリカ中央アメリカに住む灰色狐の三種類。
毛皮製品として利用されているのは圧倒的に養殖ギツネで、その80%は北欧で生産されています。
1920年にカナダで突然変異によって生まれたシルバーフォックス以来、今では多くの天然色彩のものが存在致します。
ブルーフォックスやレッドフォックス、プラチナフォックス、シャドーフォックス、ブルーフロストフォックス、ゴールデンアイランドフォックスなど色々な品種がいます。

ラクーン

ラクーン

アライグマのこと。 北米産の毛皮の中ではもっとも一般的な動物です。
夜行性で水の中でえさを取って食べます。
全体に毛足が長くソフトで、毛質が狸に似ていて、色はグレー・茶・黒のリング状の模様のある尾が特徴です。
中国や、フィンランドでチャイニーズラクーン・フィンラクーンと呼ばれているものは狸のことで、日本国内では、素材名を表記する場合、「タヌキ」の名称を必ず併記しなければならない。

チンチラ

チンチラ

動物界脊索動物門哺乳綱ネズミ目(齧歯類)チンチラ科チンチラ属に分類され、最近ではペットとしても大変人気があります。
元来アンデス山脈で生息していた野生の小動物ですが、現在毛皮用に使われているのはすべて養殖種です。
刺し毛は退化し、非常に滑らかで柔らかい綿毛のみで構成され、毛の密度も非常に高いです。
毛質は短毛で柔らかく絹のようで厚く、色はスレートブルーが最上質で背の部分が濃青淡青色、腹部は青灰色です。突然変異種でベージュ系の色もあります。
現在では米国やヨーロッパ各国にも養殖場が出来ています。 皮は軽いが、極めて薄くデリケートで耐久性は低いため、取り扱いには注意が必要です。

ラビット

ラビット

ラビットは価格も安く非常にポピュラーな毛皮で色は黒、灰、白、褐色系、ブチと色々ですが、染めて他の毛皮に似せて使われることも多くあります。
フランス名ラパンも一般的です。
毛色の種類が多く、それぞれの種類毎に名称が付けられています。代表的なものは、シロウサギ(白色)、チンチラウサギ(灰青色)、ゴマウサギ(灰褐色)、ゴールウサギ(淡褐色、ベージュ色)、クロウサギ(黒色、黒褐色)、ブチウサギ(上記各色の一部分に異なる色が混じっている)。
毛の一部分が細くなっているため、折れたり切れたりし易い性質があるため、刈毛(シェアード)処理をすると、その欠点が解消されます。
ラビットは、耐久性はやや低く、染色が容易なことに加えて、比較的安価なため利用範囲は広いです。

レッキス

レッキス

ラビットの突然変異で作られた新種で、もともとは食肉用として養殖されています。
ラビットが草食動物に対してレッキスは雑食動物で、ラビットに比べるとその毛には光沢がありシルキーです。
毛皮製品にしたとき切れ毛も少なく綿毛と刺毛の高さが同じ事もレッキスの特徴です。

リス

リス

欧州からシベリアにかけて棲息し、短毛で毛は緻密で柔らかいリスの毛皮は、古くから王侯・貴族の毛皮として多く装飾用に使われています。
今では世界各国に分布し70種類にも及びますが、背中がグレーで腹側が白というのが一般的ですが地域により濃淡の差があります。
最高品質とされるのはブルーグレーの色をしたシベリア産のロシアリスです。(ロリスと呼ばれたりもします)
これ以外のものは、多くブラウン系に染色して使われる事が多いです。
最近ではコートのライナーやトリミングに多く使われ、とても軽く保温性に優れており、その柔らかな肌触りも人気の理由のひとつです。

ラム01
ラム02

ラム

●カラクルラム
カラクル種のラムの総称で、ペルシャンラムあるいはアストラカンとも呼ばれます。
産地によって南西アフリカ産の「スワカラ(SWAKARA)」のように、商標名がつけられているものもあります。
毛色は黒色が大半で、他にグレー、茶、白色がある。毛は刺し毛がなく綿毛だけで構成されており、毛丈の分類では極短毛及び短毛で、巻き毛の形状により様々な美しい斑紋が見られるのが特色で、その巻き毛の形状、毛足の長さなどにより、タイプ別に分類されます。特に毛足が短く軽量なタイプのものは、「ブロードテール」と呼ばれ、アメリカ産のアメリカンブロードテールやロシア産のロシアンブロードテールなどが有名です。

●チキャンラム
中国浙江省で産するラム。
毛はシルキーで柔らかく、ゆるやかなウェーブ状で光沢がありまが、染色して使用されることが多いです。

●チベットラム
チベット産のラム。
毛の短いモンゴリアンラム(Mongolian lamb)の変種で、毛足は非常に長く、白い、くるくるカールした綿毛が特徴です。
もともと錦綿羊(にしきめんよう)はヤギの毛皮を加工したものだが、チベットラムを代用したため、日本では、錦綿羊ともいいます。 染色して使用されることが多いです。

●カルガンラム
中国産の代表的なラムの一種。白い巻き毛状の綿毛が特色です。
毛丈はやや短く、毛質はやや柔らかいが光沢に少し欠け、染色して使用されることが多いです。

ムートン

ムートン

ムートンとは羊という意味のフランス語。
山羊も含めた羊の皮革、その素材でできたアイテムをさします。
英語でいうと、なめしたシープスキンの意味で、ムートンが使われているアイテムを、たんにムートンと呼ぶこともある。
クロムなめし、植物なめしがほどこされた素材で、繊維が粗くコラーゲン繊維も少ないため、若干の伸縮性がある。
コートやジャケット、手袋、靴の裏打などなど、用途も多彩だ。
秋冬シーズンの定番になりつつあり、ファー流行に相まって、コートやジャケットの内側にファーを張って防寒性とおしゃれ度アップを兼ね備えている。
レザーのようなハードな印象はなく、軽量なことも人気のヒミツ。

再生ムートン(リサイクルムートン)

再生ムートン(リサイクルムートン)

高細かく砕いたムートンの毛を他の素材に植えて出来た生地などです。
近年生地として多く販売されていますので、コートや小物によく使われています。
ムートン毛皮より革自体が無いため軽く、細工がしやすいメリットがありますが、ムートン毛皮より耐久性は劣ります。
品質表示はウールになり、安価なものは更にポリエステルなどの素材も混ぜて作られています。

ワニ革01
ワニ革02

ワニ革

ワニ革は高価な価格で取引されますので、養殖事業が成り立ちます。そのため現在ではワニ革の約90%ぐらいが養殖です。野生のワニの取り扱いは非常に少ないのが現状です。 ワシントン条約で規制されており、革(原皮)を輸入するには正規の手続きを踏む必要があります。ちなみに海外で生産したクロコダイル製品を輸入する際も許可が必要です。

●クロコダイル
クロコダイル科クロコダイル属。
爬虫類皮革の中でも最高級とされ、世界的に愛好家も多いクロコダイル革ですが、実は製品として使用されているクロコダイルはワニ革の中でも以下の4種類のみとなります。
スモールクロコダイル(イリエワニ)、ナイルクロコダイル(ナイルワニ)、ラージクロコダイル(ニューギニアワニ)、シャムクロコダイル(シャムワニ)

●カイマン
アリゲーター科カイマン亜科
クロコダイルにある穿孔と呼ばれる呼吸をする穴がアリゲーターにはありません。
しかし手触りや見た目はクロコダイルをほとんど変わりないので、好みが分かれるとすれば腑模様の形の違いになります。

●アリゲーター
アリゲーター科アリゲーター亜科
アリゲーターやクロコダイルが基本的にお腹部分の革を使うのに対し、カイマンは背の部分を使うことがほとんど。
ごつごつと隆起した背骨部分を活かすので、アリゲーターやクロコダイルにはない手触りとワイルドな表情が楽しめます。

羊革

羊革

羊の革のことです。
また生後1年以内の子羊の革を「ラムレザー」といい、1年以上を「シープスキン」といいます。
品種が多く、皮の性状も多様な羊革は、繊維が細かく交絡が緩いので、鞣されることで柔軟で手触りの良い革になります。また軽いのも特徴です。
牛革と比べると、柔らかく軽いので着心地が大変よい素材です。

牛革

牛革

牛の革のことです。
革=牛革と思われるくらい、メジャーで普及している革素材です。
牛革素材は生まれてからの年数でランクが決まります。
ベビーカーフ(生まれてから3ヶ月以内)
カーフスキン(6ヶ月以内)
キップスキン(1年以内)
ステアハイド(生後2年以上経過した去勢済みのオス)
カウハイド(生後2年以上経過したメス)
ほかにも生後間もない仔牛の革や、国産の牛革などで名称が変わります。
牛革は相対的に分厚く耐久性に優れています。豚のように細かな穴がありませんので、見た目も悪くありません。生後間もない仔牛の革なら柔らかく、羊革のような高級感があります。

豚革

豚革

豚の革のことです。
豚革は安価で機能性に優れるため、一般的な革素材として人気です。
飼育も簡単なので、比較的手に入れやすいため値段が安くなっています。
羊革より重いですが、牛革よりは軽めです。
羊革より摩擦に強く、耐久性があります。
豚革は通気性が良いため、ジャケットはもちろん、手袋・パンツにも使えます。

鹿革

鹿革

鹿の革のことです。
一般的に鹿革(ディアスキン)と言った場合はメス鹿から取った革のことを指します。
メス鹿の革は柔らかくなめらかで、繊細な質感です。
一方オス鹿から取った革は「バックスキン」と呼ばれ、メス鹿のディアスキンと比べると厚めで、傷が多いです。この傷を目立たなくするためにバックスキンは表面を毛羽立たせて起毛加工しているレザーが多いです。
牛革と比べると鹿革(ディアースキン)は軽く、手触りがなめらかで、表面がきめ細かく、吸湿性・通気性に優れています。